働き手の無理無茶を前提として利便性や快適性を維持することって必要なのだろうか

医大の入試で女性を意図して不合格にする不正

昨年の2018年に「東京医大不正入試問題」という事件がありました。

2018年における医学部不正入試問題(2018ねんにおけるいがくぶふせいにゅうしもんだい)とは、日本の複数の大学の医学部が、女子や浪人生を不利に扱う、特定の受験生を優遇する、といった不正入試を行っていた問題である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大きなニュースだったのでまぁみなさんご存じでしょうが、概要をざっと説明すると「複数の医学大学で女性に対し一律に減点をして合格者を減らしていた」という事案。

不正があったと判明しただけで10校、疑惑を含めればさらに20~30校にも及んだというのだから、まぁビックリな話です。

女性差別の問題が連日のようにネットやニュースで取り沙汰される昨今ですから、もっと大騒ぎになってもおかしくなかった事案なのですが、これが意外に収束?したのかは知りませんが割と早急に話題に挙がらなくなりました

なぜかというと、女性差別とはまた別の事情があったようで。

女性は残業や急患対応で無理させられないから

事情とはなんぞやというと、端的に言うと「女性の医師は男みたく無理させられないから」だというのです。

東京医科大学が女子受験者の得点を一律減点していたことが判明したが、それに対し、医師向け人材紹介会社が緊急アンケートを実施したところ、大学の対応を「理解できる」「ある程度は理解できる」と回答した医師が65%に上る驚くべき結果となった。

そもそも今日の日本における医療水準というのは、他国に比べると非常に高いそうで。例えば他所の国では「来院しても当日に診察を受けられず、その日は予約受付しかしてくれない」なんてことが、割と普通にあるのだそうです。

しかし日本ではそのようなことはありません。来院すれば待たされはしてもまず当日に診てもらえます。なぜこのように、他国と比較して良待遇の診察が受けられるのでしょうか。

それは日本のお医者さんがめっちゃ無理して働いているから。つまり「日本の医者が寝る間も休む間も惜しんで超絶激務で働いているから」だったりするわけです。

 株式会社メディウェルが2017年10月~11月にかけて1649人の医師に行ったアンケートでは、当直後も82.5%が通常勤務をし、32時間以上の連続勤務を行っていると回答している。また、2017年に「全国医師ユニオン」が勤務医に実施したアンケートでは、タイムカードなどで労働時間が管理されていると答えた大学病院の医師はわずか5.5 %だった。
出展:東京医大の女性差別を医師の65%が「理解できる」と答えた真の理由(ダイヤモンドオンライン)

女性はどうしても男性のように不眠不休のような無茶な働き方はさせられないから、ルールを捻じ曲げてでも男性の医師を増やさなければ、長時間労働が常習化している医療の現場には対応できなかったと。

そういう事情があり、医学大学の入試結果を改ざんするという不正をおかしてでも男性医師を増やさざるを得なかったと。そんな感じのオチだったようです。ナンダカナー。

無茶な働き方をしてまで「快適」を維持するのは是か非か

まぁこのように、単に女性問題に留まらない「医療の現場全体の問題」にまだ話が及んでいたことが徐々に知れ渡ったのが、事案が割と早急に収束したような(目にしなくなった)要因ではないかと思います。

これを知って私がまず思ったのは「コンビニやファストフード店でもそんな話あったな」でした。

最近話題になっていますよね、某コンビニチェーンの24時間営業でフランチャイズ経営のオーナーが過労状態に陥っているという話。

東大阪市のセブン-イレブンのオーナーが、人手不足から24時間営業を自主的に取りやめ、朝6時から深夜1時までの19時間営業に変更したところ、セブン-イレブン本部から契約解除と違約金1700万円を通告されたことが社…

そして一昔前には、某牛丼屋でも似たような事案がありました。

 牛丼チェーン最大手「すき家」の過剰労働問題をめぐり、ゼンショーホールディングス(HD)の第三者委員会(委員長・久保利英明弁護士)が7月31日提出した調査報告書。かねて深夜の「ワンオペ」と呼ばれる1人勤務体制は知られていたが、従業員への匿名アンケートなどに基づく報告では、その労働環境の過酷な実態と背景が詳しく指摘された...

医療でも物販でも外食でもなんでもそうなのですが、そこまでして便利だったり快適だったりする必要ってあるんでしょうか

入試結果を捻じ曲げたり死人がでるような過酷な労働を強いたうえで、今の「便利さ」「快適さ」を実現し維持しているって、なんか本末転倒な気がしませんか。

この現状を知ってなお「たとえ死人が出ようとルールが捻じ曲げられようと高いサービスレベルを維持してくれないとイヤ」なんていう非道な人は、あまりいないんじゃないの?

むしろ「そんな無茶苦茶な働き方しなくていい、少しくらい不便になってもいいからもっと人道的な労働環境となるよう是正してほしい」と思うのが大多数なのではないでしょうか

なーんか、本当は誰も求めていないことに一生懸命になって、結果として心身が壊れて死んじゃうくらい非人道的な働き方になってしまっている、という気がします(まぁ儲けたい企業が「そこまで理解して尚やらせてる」という面も大いにあるでしょうが)。

※不正入試の件については、そもそも「医師を無茶苦茶にこき使わなければいけない医療業界の現状」が問題なのであって、その無理無茶の都合を合わすために女性を外に弾いて落とすなんてのは、話がメチャクチャだと思うのですが。

なんか日本という国は「働くということを神聖化しすぎている」と思えてなりません、怠け者の私には。

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コメント

  1. ゆるり旅 より:

    「怠け者の私には。」の締めくくりが最高ですw

    便利になりすぎた日本に、幸福感が低いという矛盾が生じていると思いますね。
    最近は、何事にも感謝できる大人になりつつあります。

    • カリカリ より:

      ゆるり旅様
      本末転倒ですよねまさに。
      健康になりたい人が健康のために運動をたくさんして、
      無理をし過ぎたせいで逆に身体を壊しちゃうみたいな。